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実は世界中でバラバラな「チェスの駒の名前」由来まとめ


チェスには「ポーン」「ナイト」「ルーク」「ビショップ」「クイーン」「キング」という6種類の駒が使われます。日本における駒の名前は英語での名前に準じているのですが、実は世界的には駒の名前はバラバラの意味を持つ単語で呼ばれています。そんな駒の名前が持つ意味について、ジャーナリストのFrank Jacobs氏がまとめています。

How Did the Chess Pieces Get Their Names? - Atlas Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/how-did-chess-pieces-get-their-names

◆ポーン
ポーンは「歩兵」という意味を持っており、サンスクリット語で足を意味する「padati」に由来しています。また、ノルウェーやスウェーデン、ドイツではポーンに相当する駒の名前として「農業従事者」という意味の言葉が用いられています。


◆ナイト
ナイトは、ヨーロッパでは「馬」「騎乗者」「ジャンパー」の3種の意味を持つ言葉で呼ばれており、英語では騎乗者を意味するナイトで呼ばれています。また、チェスの起源とされるインド地域ではサンスクリット語で馬を意味する「asva」と呼ばれていたとのこと。ヨーロッパにおける「馬(黄色)」「騎乗者(青)」「ジャンパー(薄緑)」の分布は以下の通りです。


◆ルーク
ルークはチャリオット(古代の戦闘用馬車)を意味する言葉ですが、駒は塔のような形をしておりヨーロッパの多くの地域では塔を表す言葉で呼ばれています。チャリオットが塔に代わった理由には「戦車を示すペルシャ語の『rukh』がイタリアで要塞(ようさい)を意味する『rocco』にすり替わった」「ペルシャの戦車は非常に重装甲であり、可動式の要塞とも言える巨大な物体であった」といった説が存在するとのこと。また、地域によってはルークを「砲台」「船」「象」といった意味の言葉で呼ぶこともあります。


ヨーロッパにおける「チャリオット(黄色)」「塔(紫)」「城塞・要塞・砦(水色)」「砲台(緑)」「船(ピンク)」の分布は以下の通りです。


◆ビショップ
ビショップはキリスト教の高位聖職者を示す言葉ですが、サンスクリット語では「象」を意味する「hasti」という名前で呼ばれていたとのこと。現代では、ビショップは「象(ピンク)」「聖職者(紫)」「伝令」「貴族(青)」「狩人(緑)」「射手(オレンジ)」「道化師(薄緑)」「槍(水色)」「亀(緑)」「運搬人(赤)」といった多様な意味の言葉で呼ばれています。


◆クイーン
クイーンはサンスクリット語では王の顧問や相談役を意味する「mantri」という言葉で呼ばれていました。チェスがアラブ世界に伝わった際は大臣や秘書を意味する「wazir」という言葉で呼ばれていたのですが、フランスで処女を意味する「vierge」に置き換わったとのこと。Jacobs氏はクイーンの意味の変遷について「ヨーロッパの大部分では王の同伴者を女性化する傾向があったため、この誤訳は興味深いです」と述べています。

現代ヨーロッパでは、クイーンは「女王(ピンク)」「淑女(オレンジ)」「高官・相談役・指揮官(青)」「旗(緑)」といった意味の言葉で呼ばれています。


◆キング
上記の通りチェスの駒は多様な意味の言葉を当てはめられていますが、キングはヨーロッパのどの地域でも「王」を意味する言葉で呼ばれているとのことです。

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in ゲーム, Posted by log1o_hf

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