レトロゲームをこよなく愛し、過去にはファミコンソフトをコンプリートしたこともある「ファミコン刑事」さん。先日PCエンジンソフト「邪聖剣ネクロマンサー」を中古ゲーム店で購入したそうですが、帰宅後パッケージを開いてびっくり!

 なんと説明書やアンケートハガキの隅から隅まで、再開パスワードがびっしりと書かれているではありませんか。かつての持ち主が必死に書き写したものでしょうが……これはちょっと狂気的な怖さを感じますね。

■ パスワード入力に苦戦したあの頃 まさか説明書やハガキに書くとは……

 今では当たり前になった、ゲームのバックアップ機能ですが、昔のゲームは中断後に再開する際、パスワード入力を必要とする場合がほとんどでした。

 当然意味を持つ文章などではなく、複数の文字を組み合わせたランダム生成。数文字程度ならまだしも、ソフトによっては多くの文字入力が必要で、書き写しているうちに今どこを書いているのかわからなくなったり、書いた字が汚くて読めなかったり。後日再開しようとしてもパスワードが通らず、悲鳴をあげたかつての少年少女は多いはず。

邪聖剣ネクロマンサー

 今回の「邪聖剣ネクロマンサー」のパスワードにおいては、入力文字数は最大64文字にのぼり、使用する文字はひらがな、カタカナ、アルファベットに濁点まで。ただでさえ多い文字の種類に加え、ブラウン管テレビの解像度の粗さも重なり、正確にパスワードを書き写すという作業自体、苦労の連続だったことでしょう。

 ファミコン刑事さんももちろんそんな経験の持ち主。当時の苦労は理解しているものの、さすがにこの光景にはゾッとしたとのこと。おそらく大半の方がノートやメモ紙に書き写していたものと思いますので、まさか説明書やハガキに書かれているとは思いも寄らないですよね。

■ 邪聖剣ネクロマンサーのパスワード 果たして通るのか?

 ……と、ここで気になるのが「このパスワードが本当に使えるのか?」ということ。ファミコン刑事さんに入力をしてもらったところ……なんと通った模様。

パスワード入力を試すと……

 主人公の名前は「ケイス」で、レベル21から再開。もしや元の持ち主の名前は「けいすけ」君だったのでしょうか。あれだけの文字を正確に書き写しながら、コツコツ冒険を続けていたようです。説明書やはがきを使ったところは、ちょっとずぼらだったのかもしれませんが……。

主人公の名前は「ケイス」

■ 昭和は忍耐の時代

 パスワードを入力し終え「昭和は忍耐の時代と実感した」とファミコン刑事さん。文字の読みにくさから入力間違いが多発し、再開までに20分ほどの時間を要したのだとか。

 昔はこれが当たり前ではありましたが、今では考えられないストレスですよね。バックアップ機能をゲームに搭載してくれた、かつての技術者たちに感謝したくなります。そしてファミコン刑事さんも、記事へのご協力本当にありがとうございました。

 PCエンジンのソフトは特に収集しているわけでなく、過去所持していたものや、当時は買えなかった気になるタイトルを購入しているとのことで、完品は求めておらず、外観に影響もないことからソフトはこのまま所持し続けるとのこと。

 ツイッターにて「元の持ち主がいたら返します」とも呼び掛けていますが、果たしてそちらの結果はいかに?

<記事化協力>
ファミコン刑事さん(@Famicon_Deka

(山口弘剛)