前にゲームとあまり縁がない人と話をしたとき、ゲーム作るのに1年以上かけてると言ったら驚いてたんですね。なんでそんなに時間かかるの？と。
なのでゲーム制作はこんなに大変なんだぞ、を説明しようと思い書いてみました。

ゲームの歴史を振り返って、こんなに進化してきたというのはあるけど、
開発者目線でこんなに大変になったという意味合いで書かれたものはあまりなさそうだったので、少し意味もあるかな。

長くあそばせるために

ゲームって元々はシンプルで、最初はそれでみんな楽しめてたけど、
どうやって飽きさないようにしようか、長く遊ばせようか、という工夫して進化してきた結果だと思うんです。
長く遊んでもらえるのなら少し苦労しましょうか、って話です。
なら仕方ないですね。

1.画面がスクロールして大変

初期のゲームって固定画面しかなくて、インベーダーゲームとかパックマンとかね。ステージをクリアすると次の画面が現れて、同じことを繰り返す内容でした。その後、画面がスクロールするゲームが出てきたんです。

画面がスクロールして、単純に色々なパターンの背景を用意しなければならないのと同時に、ステージをデザインするという作業も生まれてきたんです。いわゆるレベルデザインというやつですね。

初期のゲームはステージデザインの作業量は多くないのですが、ステージはゲームのボリュームを無尽蔵に増やせる要素なので、歴史と共にどんどん大変になっていくのです。
わーい。

2.パワーアップして大変

パワーアップ要素で印象深いのは、やっぱりグラディウスですね。

ここで考えほしいのが、プレイヤー側がパワーアップするだけじゃゲームは面白くはならないってことなんです。
プレイヤーが強くなるのであれば強い敵も必要になります。
攻撃方法Aが活きるようにするには、敵Aを用意する。
攻撃方法Bが活きるようにするには、敵Bを用意する。
また逆もしかりで、強い敵がいるからパワーアップしたいと思うんです。

パワーアップ＝敵の増大なんですね。
わーい大変。

3.キャラクターが増えて大変

ファイナルファイトからストⅡ、その後の格ゲー時代では、プレイヤーの扱えるキャラが増えていきました。
それぞれのキャラクターに技もたくさんある。
それぞれに特徴を持たせてバランスをとる。考えただけでも大変です。

あとキャラクターを爆発的に増やしたポケモンというゲームがあるんです。151体ですか。なにしてくれてんねん。

キャラを増やすってのは、ゲーム的には同じ性能のキャラが並んでいても意味がないので、性能的に一長一短がなければならない。
ゲームシステムの設計が重要になってくるんです。
ポケモンで「属性」という概念があってそれの組み合わせで有利不利が決まるという、あれです。
あー大変。

4.グラフィックがすごくなって大変

これは見たまんまで、時代とともに高精細なグラフィックになってきました。もちろん絵を作ること自体、大変になっていったのですが、
そこから派生して、作業が増えて人が増えていくと、
その結果、仕様の追加、変更が難しくなるんです。
だから最初にできるだけ高い精度で、色々なことを決めておく必要があるんです。それには経験値が必要なんですよね。

前述のレベルデザインって、それ自体は昔からある作業だけども、
そういう職種がスポットを浴び始めたのは比較的最近な気がします。
僕が思うにたぶんそれは、昔は後で容易にマップを変更可能だったものが、最近では先に決めなきゃならない必要性がでてきて、そういう経験値が求められるようになったから…だと思うんですけど、違うかな？
とにかく大変です。

5.通信して大変

アイテムやキャラが無尽蔵に追加できるようになりました。
イベントもいつでも開けるよ！
昔は「キャラクター〇〇体」というのが宣伝文句に使われたりしたけど、
そういうのも見なくなりましたね。
2週間毎にコラボしてキャラ追加ですよ。まったくもう。

マルチプレイヤーのゲームって、今やアバターを作れるのが普通にありますよね。あのキャラメイクの機能作るのってあれ大変だと思うんですよ。
僕は作ったことないけど…個人制作レベルでは手が出せない領域。

さらにそれらの副産物があるんです。
それはUIです。
大量に増えたアイテムやキャラ、報酬やら告知やらフレンドやら…。
それらを管理するUIを作る必要性がでてきたのね。

最近ではどのゲームもUI地獄ですわ。
ゲーム制作の時間の３割とか４割はUI作ってるんじゃないですかね。
いやほんとに。

本来ゲームはシンプルなんだけどね

本来ゲームはシンプルで、コアの部分はさほど昔と変わってないかもしれない。シンプルなままでいいじゃんと思うかもしれないけど、作り手としては長く遊んでもらいたいからね。
どうしてもやることが増えちゃうんです。
もう大変だわほんとに…。

以上、ここまで読んでくれてありがとうございます。

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「バードヒーロー」というゲームをリリースしました。
この記事にある、長く遊ばせようという努力をしてます。
iOSとAndroidで遊べるので、よろしければ！